「時を経ても色褪せない名曲」 No.2

どんなたいへんなことがおきたって

きみのあしのそのしたには

とてもとてもじょうぶな「ばね」がついているんだぜ

(しってた?)

 

おしつぶされそうな そんなときだって

ぐっとひざっこぞうにゆうきをため

「いまだ!スタンバイ!オーケー!」

そのときをまつのさ

 

ぴゅ~ら~り~ら~

かぜがきみをよんでいるよ

ぴゅ~ら~り~ら~ら~

いまこそ!

 

ぼよよよ~んとそらへ とびあがってみよう

ほらあのくもまで てがとどきそう

ぼよよよ~んとたかく とびこえてゆこう

にじのふもとで えがおでまってるきみがいる

 

あるけ あるけ あるけ

すすめ すすめ すすめ

あるけ あるけ あるけ

すすめ すすめ すすめ

 

あるけ あるけ あるけ

すすめ すすめ すすめ

あるけ あるけ あるけ

すすめ すすめ すすめ

 

なんでそんなふうにうつむいているの

おもいだして あしのした

とてもとてもだいじな いまをいきてるんだぜ

(そうでしょ?)

 

きみがほんとうに たかくとびたいなら

やっぱひざっこぞうにゆめのせて

「いちどしゃがんでジャンプ!」

きぶんはどうだい?

 

ぴゅ~ら~り~ら~

かぜもきみをおいかけるよ

ぴゅ~ら~り~ら~ら~

それゆけ!

 

ぼよよよ~んとそらへ とびあがってみよう

ほらあのほしさえ てがとどきそう

ぼよよよ~んとたかく とびこえてゆこう

ほしのしずくは はじめてのあしたへとつづく

 

ぼよよよ~ん yeah yeah yeah

ぼよよよ~ん yeah yeah yeah

ぼよよよ~ん yeah yeah yeah

 

ぼよよよ~ん

         中西圭三「ぼよよん行進曲」

 

 

2006年10月18日発売の本楽曲をタイトルチューンとしたアルバム

NHKおかあさんといっしょ 最新ベスト ぼよよん行進曲』に収録された。

発表当初は1番の歌詞のみだったが、2番の歌詞も製作されており

2011年に両A面シングル「ぼよよん行進曲/風雅」としてセルフカバー版が発売された後

同年3月11日に発生した東日本大震災の被災地の子供たちに歌われる場面もあった。

 

「子どもたちを取り巻くさまざまな社会問題がある中、いつか困難が立ちはだかっても

足の下のばねで飛び越えてほしいと考えました。」と語る中西圭三さん。

いつの時代でも、年齢性別関係なく愛される曲

笑顔で「ぼよよよ~ん」と明日に向かって飛んでいけそうですね。

 

又、心を動かされる「ぼよよよ~ん行進曲」は

メロディーもさることながら和音進行にも作曲技術の要素がたくさん詰まっています。

原曲はB♭ですので、解説用にわかりやすくCに変更しています。

 

その心動かされる要素満点な所で、今回はこの楽曲のサビの部分を中心に綴ります。

C → F→ Dm → E7 → Am → F#m(♭5) → Dm → G7

Am → F→ Dm → E7 → Am → F#m(♭5) → Dm C/E → F G→ C

 

一般的な和音進行である

トニック C(主役、安定感がある) →

サブドミナント F(脇役、バリエーションを豊かにする)

ドミナント G(トニックⅠへ向かおうとする) →

トニック C(主役)

以上の4つ和音をだけで、一曲終わった感じがします。

という動きを繰り返すのが基本です。

 

その基本通り

1小節目はC(トニック)→2小節目はF(サブドミナント)となります。

そして4小節目のコードはE7になっています。

ここで一番基本のC(トニック)に帰らずに

少し離れた本来ⅢmであるところをⅢメジャー7に変更し

E7を入れることで調性を不安定にしています。

 

これによって

本来C(トニック)に帰って落ち着くところが

不安定な響きによって落ち着かなくなっているので

心を動かすわけです。

 

さらにもう一ヶ所

9小節目にあたる2回目の「ぼよよんと空へ」の部分にも工夫があります。

 

1小節目がトニックⅠにあたるCだったのに対し

9小節目では同じトニックのコードでもⅥmにあたる

Amになっています。

 

Amはマイナーコードなので、暗い響きをしています。

弱気の「ぼよよ」の部分で、もう一度同じようにC(トニック)が来ると見せかけて

暗い響きであるAmを採用されています。

 

こちらも、予想通りに来ると思ったコードが来ない上に

暗い響きのマイナーをあてることで、和音進行が少し不安定になるので

心を動かすわけです。

 

もともと心に響く素敵な歌詞が、心を動かす和音進行に乗っているので

より心に響くということなんですね。

 

17年以上経った今でも

こんなに愛され続けるぼよよん行進曲

 

時を経ても色褪せない名曲です。